「自分は営業に向いてないんじゃないか。」
営業マンやってる人、ほとんどが一回は考えたことあるんじゃないでしょうか。
同期は普通に数字を出しているのに、自分だけうまくいかない。
かといって、辞める決心がつくほどでもない。
その「向いてないかも」を、つい「ただの甘えだ」と片づけてしまう人は多いと思います。
でも、向いてないと感じることと、本当に向いていないことは、実は別の話です。
この記事では、その「向いてない」を少し分けて考えてみます。
答えを急がず、見極め方を一緒に整理できればと思います。
この記事の筆者については、こちらを読んでみてください。

営業に向いてないと感じるのは、甘えじゃない
先に、ひとつだけはっきりさせておきます。
「営業に向いてないんじゃないか」と感じること。
それ自体は、甘えでも逃げでもありません。
むしろ、営業をやっている人なら、一度は通る感覚だと思います。
断られ続けて、数字に追われて、上からはパワハラにならない程度にプレッシャーをかけられて。
ストレスが溜まったタイミングでふと「自分、この仕事に合ってないのかも」と思う。
ごく自然な反応です。
自分も、新人の頃に同じことを考えていました。
営業チームに配属されてから3か月時点での月間目標達成率は29%。
どこからどう見ても、使えない営業マンです。
周りは「頑張ってるのは分かってるよ」と気を遣ってくれる。
でも、その優しさが、かえってきつかったりするんですよね。
「自分はこの仕事に向いてないんじゃないか」と、毎朝のように思っていました。
今となっては笑い話にできますが、当時はわりと本気で凹んでいました。
厄介なのは、この「向いてない感」が、誰かと比べることで膨らんでいくことです。
同期がさらっと契約を取ってくる横で、自分だけ空回りしている気がする。
自分の時は、同期に天才肌の営業マンがいました。
研修が終わってすぐ、初月から毎月目標達成を継続してるんです。
対して自分は達成率29%。
たいそうなプライドを持っていたわけではありませんが、それでも大きな差を感じ、ボロボロに崩れていきました。
その差を「才能の差」だと思い込むと、一気に「自分は向いてない」に直結してしまう。
でも、ちょっと待ってほしいんです。
「向いてない」と感じることと、「本当に向いていない」かはイコールではありません。
ここを分けられるかどうかで、その後の景色がけっこう変わってきます。
ちなみに、29%のどん底だった時にしたことは別の記事に書いていますので、良ければこちらも読んでみてください。

「向いてない」と「辞めたい」は、似ているようで違う
「向いてない」と「辞めたい」。
この2つは、近いところにあるので、つい一緒くたにしがちです。
でも、よく見ると別の話なんです。
「辞めたい」は、今の状況から離れたいという気持ち。
「向いてない」は、自分の適性に対する疑い。
辞めたいけど向いてはいる人もいるし、向いてないけど辞めたくない人もいます。
ここを混ぜてしまうと、判断がぶれます。
「向いてないから辞める」のか、「つらいから辞めたい」のか。
動機がはっきりしないまま動くと、次の場所でも同じことを繰り返しやすい。
「向いてないと思って辞めたのに、次の職場でも同じ壁にぶつかった」という話は、わりとよく聞きます。
逆に、会社を変えただけで活き活きし始める人もいる。
この差は、たぶん「何が合っていなかったのか」を見極められたかどうかなんですよね。
この記事で扱うのは、あくまで前者。「向き不向き」の話です。
「辞めるかどうか」をどう決めるかは、それだけで一本の話になります。
今まさに「もう辞めたい」の気持ちが強い人は、こちらで整理しているので読んでみてください。

ここではひとまず「辞める・辞めない」を脇に置いておきます。
「自分は本当に向いていないのか」を、もう少し冷静に見てみましょう。
「営業向いてない」と感じるとき、実は何が起きているのか
「向いてない」とひと言で言っても、その中身はけっこう混ざっています。
自分の経験上、ここには3つの違うものが入り込んでいることが多いです。
資質のミスマッチ
人と話すこと自体がどうしても消耗する。
競争のプレッシャーが、本気で体に合わない。
そういう、わりと根っこの部分の話です。
これは確かにあります。
この場合は、たしかに営業職を続けること自体がしんどい可能性は十分考えられます。
とはいえ、後述の「思い込み」と近いため、そこの判断が難しい部分でもあります。
環境やスタイルのミスマッチ
これは営業そのものは嫌いじゃないのに、今の会社のやり方、商材、ノルマの組み方などが合っていないパターンです。
たとえばノルマの設計がきつすぎて、何をやっても追いつかない。
これは「自分が向いてない」のではなく、「今の環境がしんどい」だけかもしれません。
たとえばBtoCよりBtoBの方が向いている(逆もしかり)ケース。
案件のスピード感や顧客との距離感といった、そもそものスタイルから合ってないパターンもよく見ます。
BtoBとBtoCの向き不向きの見分け方はこちら↓

思い込み
さっきの同期との比較もそうですが、たまたま続いた不調や、一人の上司の言葉を、自分の適性そのものの問題だと拡大解釈してしまうケースです。
「お前は向いてない」と言われ続けると、本当にそう信じ込んでしまうんですよね。
とはいえ、先述の「資質のミスマッチ」との間での判断が難しいのが正直なところ。
この3つは、見た目はぜんぶ同じ「向いてない」に見えます。
でも、資質の問題なのか、環境の問題なのか、思い込みなのかで、打つ手はまったく変わってくる。
だから、まずは自分の「向いてない」がどれなのかを、ざっくりでいいので分けてみる。
そこが入口になります。
正直、きれいに3つに分かれることは少なくて、たいていは混ざっています。
なんなら、資質なのか思い込みなのかは誰にも正解を出せません。
それでも「全部が自分の資質のせい」と思い込むよりは、だいぶ気がラクになるはずです。
本当に営業に向いてないのか、を確かめるための考え方
じゃあ、どうやって見極めるのか。
おすすめしたいのは、「営業という仕事そのもの」が合わないのか「今のやり方」が合わないだけなのかを、切り分けてみることです。
ここで、自分の話を少しします。
自分は新卒からしばらくBtoC営業、つまり個人のお客さん相手の営業をやっていました。
その後、BtoB、法人向けの営業に転職しています。
BtoCの頃は、正直やりやすかった。
行動量を増やせば、その分だけ数字が返ってくる世界です。
今日試して、来週には結果が見える。
そのスピード感が、自分にはわりと合っていました。
ところが、BtoBに移ってしばらくは、また「向いてないんじゃないか」が再発しました。
法人営業は、提案してから決まるまでが長い。
提案も、かなり深いところまで練り込む必要があります。
そこから社内の稟議で待つ、決裁で待つ。
自分が動かせない時間が、やたら多いんです。
「行動量で殴れない世界に来てしまった」と、正直しんどかったです。
でも、ある時ふと気づいたんです。
これは「営業に向いてない」んじゃない。
「BtoCのリズムが好きだっただけ」だと。
仕事そのものが合わないのではなく、合うスタイルが違っただけでした。
そう分けて考えられた瞬間、肩の力がスッと抜けました。
ちなみに、今はBtoBの仕事のリズムもちゃんと楽しめています。
BtoBに慣れてからは、1年がかりで一つの案件をまとめあげたときに、BtoC時代の「即決」とは違う達成感を味わえました。
短い手応えが好きな自分でも、長い時間軸ならではの面白さがあると知れた。
これも、向き不向きを早々に決めつけずにいたから、出会えたものだと思っています。
つまり、「向いてない」と感じたときにまず試したいのは、辞める決断でも、根性で克服することでもありません。
今いる環境の何が合わないのかを、ひとつずつ言葉にしてみることです。
商材なのか。
ノルマの組み方なのか。
お客さんの種類なのか。
仕事のスピード感なのか。
分解してみると、「営業そのものがダメ」ではなく、「この部分が合っていないだけ」が見えてくることがあります。
そして、それが環境やスタイルのミスマッチなら、転職や異動で解決しうる話です。
営業という仕事を丸ごと諦める必要はない、ということでもあります。
これは「向いてる人の特徴10選」みたいな診断では測れません。
自分のリズムは、自分の体感でしか分からないからです。
まとめ
「営業に向いてないんじゃないか」と感じること。
それは甘えでも、逃げでもありません。
多くの人が一度は通る、ごく自然な感覚です。
ただ、その「向いてない」の中には、いくつかのものが混ざっています。
本当に資質が合わないのか。
今の環境やスタイルが合わないだけなのか。
それとも、思い込みなのか。
このあたりを少し分けて見てあげると、必要以上に自分を責めなくて済むかもしれません。
自分も、「向いてない」と何度も思いました。
でも振り返ってみると、その多くは「合うスタイルが違っただけ」だったりします。
向いてないと感じる自分を、無理に否定しなくていい。
これは仕事そのものが合わないのか、今の場所が合わないだけなのか。
もし何か一つだけ動くなら、「今の仕事の何が合わないか」を箇条書きで書き出してみることだと思います。
商材か、ノルマか、人か、スピード感か。
書いてみて「場所が変われば、もう少しやれそう」と思えたなら、それは「向いてない」ではなく「合っていないだけ」のサインかもしれません。
少しだけ、分けて考えてみる。
それくらいの整理から始めてみるのも、悪くないと思います。
もし読み終えて、「向いてない」より「もう辞めたい」のほうがしっくりくるなら、次はこの記事が近いと思います。




コメント